∫ydx と ∫xdy との関係



[はじめに]

 98年5月に下記のような式を発見しましたのでお知らせします。発見といっても、たまたまボー・・としていたら、関数の積分と逆関数の積分との和になんらかの関係がある、とアイデアが浮かんだだけの、レベルの低い式です。ちょっとした発見であって、大発見とは思っていません。当然、これで論文を作ろう、などとは考えられません。
それでもこの式は、ちょっと見ると常識的に不自然ですが、よく見るとあたりまえなのが魅力です。
なお、式の公開については、大学の先生に了解をいただいております。

[式]

 y=f(x)をxy平面上で定義された関数とし、微分可能で、かつ定数関数でなければ、

∫ydx + ∫xdy = x*y + C (Cは積分定数)

[証明]

証明はいたって簡単で、x*yをxで微分し、xで積分すればできあがります。

 (x*y)' = y + x*(dy/dx)
x*y = ∫ydx + ∫x*(dy/dx)dx + C
= ∫ydx + ∫xdy + C

(証明完)

この式により、「関数の積分と逆関数の積分との間には1次式の関係がある」ということがわかります。

[その他の式]

x*y*yから
∫y*ydx + 2∫x*ydy = x*y*y + C

x*x*yから
2∫x*ydx + ∫x*xdy = x*x*y + C

ができあがりますので、似ているような式はいくつでも作れます。なお、今の式で両辺にπをかけて、定積分で考えると、それぞれx軸回転体・y軸回転体の変換式になります。

[疑問点]

式の応用についてですが、「∫xdy が計算できなければ、∫ydx から求めることができる」と、こんな程度のことしか思いつきません。この他に、有効な利用方法がありましたら教えてください。

[雑感]

98年3月、∫ydx + ∫xdy = x*y となるかもしれない、とアイデアが浮かびました。しかし、たとえば高次の代数方程式で考えた場合、

 ∫ydx は計算できる式 
∫xdy は計算できない式 
x*y  は計算できる式

 ですから、(計算できる式)+(計算できない式)=(計算できる式)という等式が成り立つわけで、不合理と思いました。

 98年5月、実際に簡単な関数で計算してみたら、たまたま等式が成り立ちました。このことにより、∫ydx + ∫xdy = x*y となるだろう、と直感的に思いました。証明は数日後のことですが、証明を完成させてみたら、∫ydx + ∫xdy = x*y は、部分積分の応用であることが判明し、発見の感激は半減しました。ただ、「関数の積分と逆関数の積分との間には1次式の関係がある」という発見に対しては、自分のことながら感銘を受けています。結局、∫ydx + ∫xdy = x*y は「コロンブスの卵」のような式なんだろう、と思います。 

[追記]

「寝室」→「 家主の寝言」→「 積分の関係式の評価」に皆さんの評価を分類しました。 
評価 No2」に、歴史を考慮に入れた自分なりの評価があります。
積分の関係式の裏話のもっと昔の話」に、根本的な裏話を掲載してます。


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