(−1)*(−1)=1の怪

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[中学生のみなさんへ]

この式は、「(−1)*(−1)は1になる」と無条件で憶えた方が利口です。数学は、国語や英語と違い、論理的にカリキュラムが組まれていますので、今年手抜きをすると、来年は苦労してしまいます。

それはそれとして、数の歴史も踏まえ、「(−1)*(−1)=1」を説明をいたします。

[数の歴史]歴史書から抜粋いたしました

10進法
なぜ、数字は10進法なのか?
両手の指が10本だからです。
10進法は、すでに古代エジプト人・フェニキア人の書き物の中にありました。
片手の指だけを考えたら5進法、手足の指全部で考えたら20進法になります。5進法・20進法で数えた民族もあったそうですが、文化的に低かったので、5進法・20進法の数え方は衰退しました。

分数
B.C.1700年頃のエジプトで、「等分する」必要性から1/3・1/4・・・などが使われました。ただし、普通の数として用いたのはA.D.300年頃です。

無理数
ギリシャ人のピタゴラス(B.C.572年−492年)によって発見されました。三平方の定理を使って、正方形の対角線の長さは辺の長さの何倍か、という疑問から生まれたようです。

0(ゼロ)
ゼロは、インドで造られました。最初「・(点)」、A.D.870年には「○(丸)」、その後「0(ゼロ)」と表記されて、13世紀頃ヨーロッパに伝わりました。
違う話ですが、今現在使われている通称「アラビア数字」についてですが、もとはインドの発明で、アラビア人がヨーロッパに伝えたことからそう呼ばれました。
(注)ゼロとは、−1、0、1、2、・・・のゼロもそうですが、位取りのゼロを考えてください。
たとえば、4056*304の計算は楽ですが、四千五拾六*三百四の計算方法は位取りでむずかしいはずです。

負の数
自然数・分数は生活の必要性から、無理数は幾何学上の要請から導入されたものです。負の数・虚数は「代数方程式の解法」に期限を持ちます。1100年頃、2次方程式に「負の根」が存在することが見つかりました。しかし、「無意味な数」・「かりの数」・「不合理な数」として扱われました。1600年頃、負の数に「与えられた方向と反対方向を表すもの」という解釈があたえられ、数として認められました。
今のはヨーロッパの話ですが、インドではもっと以前から「負の数」が使われていたようです。私の持っている歴史書は、そんなに詳しくないので、「負の数」の説明はここまでとします。

虚数
はじめて虚数が知られたのは、カルダノが3次方程式を解いたとき(1545年)からです。しかしこの時代では、「単なる思想上のもの」として扱われました。その後、数としてのさまざまな有益性が出て、1850年頃には複素数導入にだれも異論を唱える人がいなくなりました。

以上、負の数・虚数は、歴史的に見て案外新しいものなのです。

[(−1)*(−1)=1の説明]

かけ算は足し算の応用です。「(−2)*(−4)」を使ってわかりやすいよう、そして簡単に説明いたします。

その前に、「−(−1)」は、「1の反対方向のそのまた反対方向」を表すので、元に戻って「1」となることを理解してください。

2*4
「2を4回足す」の意味ですので、
2*4=2+2+2+2=8

(−2)*4
「(−2)を4回足す」の意味ですので、
(−2)*4=(−2)+(−2)+(−2)+(−2)=−8

2*(−4)
「2を(−4)回足す」の意味です。「(−4)回足す」は、反対方向の「4回引く」になります。
したがって、
2*(−4)=−2−2−2−2=−8

(−2)*(−4)
「(−2)を4回引く」の意味ですので、
(−2)*(−4)=−(−2)−(−2)−(−2)−(−2)
=2+2+2+2=8

[おまけ]1/(−1)=(−1)/1=−1の怪

ちょっとひねくれた解釈ですので、絶対に信用しないでください。
1は(−1)より大きいですから、
「大/小=小/大」
となります。なぜ?

ちなみに、私はこれをうまく説明する方法を知りません。
知りませんが、「こういうもんだ」として使っています。


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