ケプラー/天文学と数学





[惑星運動の三法則]

ケプラー(1571-1630)は、天文学者チコ・ブラーエ(1546-1601)の残した、惑星の膨大な観測データを整理し、コペルニクスの地動説を改良して、有名な「ケプラーの三法則」

  • 第1法則 : 惑星は焦点の一つが太陽であるような楕円軌道上を動く。
  • 第2法則 : 惑星と太陽とを結ぶ動径は、等しい時間あたり、等しい面積を描く(面積速度一定の法則)
  • 第3法則 : 惑星の周期の2乗と、惑星と太陽の平均距離の3乗との比は一定である。
を作りました。
しかし、これはデータ上で見出されただけであって、ある特定の根拠から数学的に導き出されてはいません。導き出すにも、目的にかなう数学が存在してませんでした。

第2法則については、ケプラーは熟慮の末、次のように証明しました。
求める面積は、おおぎ形の積分和で近似できる。




つまり、面積は動径ベクトルの和に比例する。

「酒樽の立体幾何学」

ケプラーは、1615年に本「酒樽の立体幾何学」を出版しました。
本の中で、円錐の切断面(円、楕円、放物線、双曲線)をさまざまな直線を中心に回転した体積、87個の立体図形を導入し、無限小の議論で体積を求めました。

円の面積の計算方法について
円をおおぎ形に分割する。分割数はできるだけ大きくとる。

その次に、おおぎ形を直線上に展開する。二等辺三角形ができあがる。

二等辺三角形を変形して、頂点を円の中心に集めると、円の面積と同じ面積の直角三角形になる。

つまり、円の面積はになる。

[この時代の数学者からの批判]

  • アンダーソン(1582-1619)
    ケプラーは、古代のまことに尊敬すべき人にけちをつけるようなことをすべきでない。アルキメデスは、円が三角形に展開できることを仮定しなかったのに、君は自分のリンゴを円柱の切り口に展開するさい、それをなす根拠を自ら与えた。どんな智者がその種の変形を理解できるだろうか。・・・・・・・・
  • グリジン(1577-1643)
    私は、ケプラーのこの方法が、幾何学の定理の発見と問題の解決にとって、大きな価値をもつ、と考えるけれども、幾何学者によって確認された他の手段があるならば、証明には決してすすめない。通常のアルキメデスとユークリッドの証明に慣れた人が、より不明確なこの変形の方法を受け入れるだろうか?私はいかなる場合でも、自分の頭脳を変えようとは思わない。

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