代数方程式の一般解、そして抽象数学へ





 [2次方程式]

2次方程式

の一般解は

になります。

 [3次方程式]

3次方程式

の一般解は


とおいて、

という式に変更します。(この方程式は解けます)
p、qから


とおき、3乗根ωとの積で
ωω2から1つ
ωω2から1つ
選んで、積が−p/3になるものを、改めて
とおきます。

3次方程式の一般解は、
x1=-b/3a++
x2=-b/3a+ω+ω2
x3=-b/3a+ω2+ω
になります。
この解法を、「カルダノの解法」と言います。

 [4次方程式]

一般解を求める方法はありますが、自分で調べてください。

 [5次以上の方程式]

一般解を求める式は存在しません。

 [歴史]

5次以上の方程式の一般解が存在しないということを最初に証明した人は「アーベル」と「ガロワ」です。「アーベル」と「ガロワ」は、互いに研究しあったのでなく、まったく相手を知らずに独立して証明しました。
「アーベル」は体論を作り、代数的解法の不能を証明しました。
「ガロワ」は群論を作り、代数的解法が可能であるための必要十分条件を求めたことから、上記の不能を証明しました。
この2人の証明が、抽象数学の始まりと言っていいと思います。

 [高校生へ]

3次方程式・4次方程式の解法は、専門書に掲載されていますので、調べればわかります。
大学の数学科の授業においては、3次・4次方程式の解法を、教えてくれません。「自分で勉強しろ」です。代数の講義で、5次以上の方程式の一般解が存在しないという理論、代数的可解性の必要十分条件を教えてくれます。

 [最後に]

抽象数学の最初に出てくる、群(ぐん)の定義を掲載いたします。なお、私は群の定義さえ忘れてしまいましたので、専門書の中からの抜粋です。
群の次は、環(かん)、体(たい)の定義ですが、それは自分で調べてください。

Gを空でない集合とし、G×G→Gへの写像が与えられたとします。
G×Gの元(a b)に対応するG元を、a・bと書くことにします。
そして、下の3つの条件を満たすとき、Gは算法・で群とよばれます。
1.Gのすべての元a b cに対し、
(a・b)・c = a・(b・c)
2.Gに1つの元eが存在し、Gのすべての元aに対し、
e・a = a・e = a
3.Gの任意の元aに対し、
b・a = a・b = e
を満たすGの元bが存在する。

1.のことをを結合法則、2.のeを単位元、3.のbを逆元と言います。
算法・を、*と書く場合は乗法群、+と書く場合は加法群と言います。
群Gの任意元a bで、a・b = b・a ならば、可換であると言い、Gは可換群とよばれます。

整数全体の集合は加法について群になります。
説明するにはたいへんなので名称のみ記載しますが、他に、アーベル群・置換群・対称群・巡回群・・・などがあります。


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